館長BENさんの気まぐれロード №2010-2 長野市民新聞2月2日付コラム
2010.03.04
いのちの食べ方森の宿林りん館の管理運営を始めて一年半になる。景気が悪いと言われる真っ只中での経営はやはり厳しい。
全国に星の数ほどある宿泊施設が誘客のために様々な試みをしている中、観光地としては無名に近い小川村で、その上、山の中の一軒家の林りん館を選んでもらえること自体、奇跡とまでは言えないにしても、それに近い。
とはいえ、手をこまねいている訳にもいかないので、滞在を楽しんでもらうために石窯作りを始めてようやく完成した。
その石窯でおやきやピザやパンなどを焼いて食べてもらおうと思っている。

そんな折、「いのちの食べ方」というドイツのドキュメンタリー映画を見る機会を得た。
原題の意味は「私たちの日常の食べ物」というだけあって、日常の食べ物がどのように食品化されているかが、ナレーションも音楽も無い中で淡々と語られている。
養鶏場、屠畜場、農地など生産現場のどれもがスケールが大きく、失われた「個」の亡霊が波のように押し寄せてくるようだ。
命が失われていくと同時に、個も失われていく現場はまさに食品工場であり、私たちがその工場製品を食べているというのが現実なのである。
この作品は数年前にすでに公開されているから、見ている人も多いと思うが、なかんずく子供たちに見てもらいたいと思う。
私たちは他者のいのちを食べさせてもらっているんだという実感を得るために・・・。
生まれた子豚や子牛やひよこは親と暮らし、野を駆けめぐるのが自然の摂理だったと思うが、人間は彼らの生き様を奪い、命をも奪い食品化している。
その上、その行為を他人に任せて、ただ食品を口に入れているだけが私たちの現状だ。
その現状から容易くは逃れられないとしても、せめて、素材を料理して、いのちを食べ物として甦らせることぐらいはできる相談だ。
奪われし他者のいのちを、せめて自分の手を下して蘇らせ、自らのいのちとしよう。
石窯の中で変化していく素材はそんな思いをひしひしと感じさせてくれる。(BEN)
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コメント一覧
a.Mさん、コメントありがとうございます。豚の死なない日はまだ読んでおりませんでした。早速読んでみます。ご教示ありがとうございました。(BEN)
投稿者 館長 : 2010/04/01 10:50













「いのちの食べ方」で、とても思い出したのが、
「豚の死なない日」という本です。(ロバート・ペック)
奪われし他者のいのちを、せめて自分の手を下して
蘇らせ、自らのいのちとしよう。
その言葉がたぶんこの作者が言おうたしたことなのかもしれません。
たしか、山羊さんが食にならなかったことを
子供たちが小学生達が、胸をなでおろしたということを
伝えたのがこのホームページですよね。
山羊さんは、よかった、私もそう思います。
ただ、この小学生達にこの本を読んでいただきたいと思い
ます。
この本の題名の意味がわかります。
館長さんも。
やさしく、かなしく、つよいそんな本です。
投稿者 a.M : 2010/03/31 22:15